親が保険に入れてくれてるから大丈夫、ホント?

知らなきゃ大損! 生命保険の基礎知識

 大手生保のセールスをしているお義母さんから生命保険に加入した私の友人は、現在の保険を解約し、教官から提示された設計に契約する!、と即座に決意したのですが(これまでの経緯をお読みの方には、これは当然のことだとご理解いただけるでしょう)、実は、そこから新たな契約に至るまでの経緯で、いくつかの興味深い出来事があったのです。実際に保険の見直しをお考えの方には、非常に参考になる事なので、その出来事についての報告をしたいと思います。 

 教官の新たな設計の提示が終わりました。友人は、「ありがとうございます。早速、主人と相談して、新しい保険に変えようと思います」と言いました。
 すると教官は、「わかりました。でも、ちょっと待って下さいね。その前に確認したいことがありますので」と言うのです。
 一体何を確認するのかな?と私は思いました。だって、友人は、すっかり教官から保険に加入する気になっているのですから。普通の保険屋さんなら、余計なことは言わず、契約を急ぐところではないかと・・・。

 その時、思い出しました。
 私の保険の見直しの時にも、教官は、すぐに今の保険を解約して新たな保険に契約し直そうとした私に、いくつかの注意を与えてくれたことを。
 そう、高額な買い物なんですから「保険に入ってくれればそれでイイ」というような態度では、正しいコンサルティングは出来ないんですよね。教官は、私たちがイメージする、いわゆる「保険屋さん」「セールスさん」の仕事のやり方とは、かなりかけ離れた正しいスタイルで仕事をしているんですよ。

「早速、主人と相談して、新しい保険に変更します」
 こう言った友人に、教官は、
「ちょっと待って下さい。その前にいくつか確認したいことがありますので」と言いました。

「まず“ご主人と相談して”とおっしゃいましたが、その“相談”は、どの程度の相談なんでしょうか?つまり、私がした説明を、あなたがご家庭で、ご主人に対して同じように行うという意味なのか、それとも了解を得る程度のことなのか・・・どちらなんでしょうかね?」
「ああ、それでしたら、了解を取るだけです。すべて私に任せきりですから」
「そうですか、それならイイんです。私と同じ説明をあなたがご主人にするのでしたら、それには少々無理がありますからね。その場合は、私が説明にお伺いする必要がありますので」
 ・・・そりゃそうですよね。教官と同じ説明が素人にできるはずはないのですから。教官は続けます。
「でも、保険のことはあなたに任せきりとは言っても、すっとそのままではいけませんよ。自分がどんな保険に入っているのか、ご主人自身も、きちんと理解しておいた方が良いに決まっていますから。ですから、ご主人が了解したとしても、契約の内容については、私からきちんと説明させていただきます」
 なるほど、当然ですよね。

「そして、もう一つ。あなたはご主人様の保険の見直しを実際に行ったわけですが、あなた自身の保険は一体どうなっているのでしょうか。あなたのご家庭は“子供がいない、2人で働いている、家計も共通”なのですから、ご主人とあなたの立場は現状ではほぼ一緒です。であるならば、ご主人だけが保険に加入して、あなたが加入していない、あるいはご主人の見直しだけでイイと
言うのはおかしいでしょ? 現状は一体どうなっているのでしょうかね?」 
 うんうん・・・そりゃそうですね。ご主人の保険の見直し作業に感心しているだけではいけなかったのですね。
 “子供なし・共働き・家計は共通”である友人夫婦の場合、現状では夫婦の立場はほぼ一緒。であるならば、友人の保険はどうでもイイと言うのではおかしなことになります。

 友人は、「ああ、私、よくわからないんですよ。母によると、保険にはたくさん入っているらしいんですけど・・・」
「それで、保険料は?」
「それも母が払ってます。母は“結婚したら自分で払え”って言ってたんですけど、実際は、主人が義母から保険に入ったので、私の分は、当面は今まで通り、母が払っておくからって・・・」
「なるほど、そういうことですか。じゃあ、下手にいじらない方が、家計にとってはイイわけなんですね(笑)。ただし、今はそれで構わなくても、将来的にはきちんとした準備は必要になるわけですから、いずれ、時期を見て、そちらもきちんと見直しをすることを忘れずにいて下さいね」

 教官によれば、奥様がご主人の保険の見直しの相談にみえる際に、自分の保険のことは、はじめから考慮の対象に入っていないことが多いそうなんです。
 で、ご主人にだけ、しっかり保険を掛けて、自分はほとんど無保険状態・・・これでは今は良くても、後々困るケースが出てくるんですって。そのケースを、教官は、かつてこんな風に説明してくれました。
「冷たい言い方に聞こえるかもしれないけど、女性の方が平均寿命が長いんだから、歳をとってから一人きりになってしまう確率は男性よりも高い。その時に、無保険状態だったり、入院しても給付金も出ないという状態・・・そうなったら困るでしょ」

 この時のわたしは「早く相手を見つけなきゃな~・・・」とぼんやり思って聞いていました。
(続く)

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