大手生保セールスの不都合な真実①

ビル VS大手生保セールスレディ

 生命保険のコンサルティングの実況中継をお送りしていました。私の友人(大手生保のセールスをやっているお義母さんから保険に加入。絶対解約できないと言っていたのに、わずか30分で解約を決意した)への、私の先生のコンサルティングです。無事コンサルティングは終了しました。ご興味ある方は是非バックナンバーをご覧下さい。現在はその後のエピソードをお送りしています。

 教官の言葉にショックを受けたお義母さんは、しばしの沈黙の後、次々と教官に質問を投げかけました。教官によれば、こうしたことはよくあるそうなんです。その理由は
「セールスさんも、心の奥では、自分の売っている商品や会社の営業方針や教育、そして自分の営業方法に、どこか納得できない部分をたくさん持っているんだろうね。だけど、それを認めたり、考えたりしたら保険なんか売れなくなるし、何より自己否定になっちゃうでしょ。だから色々な疑問や不安を心の中に無理やり閉じ込めちゃっているんだよ。それがワーッと出て来るんだろうね、私みたいな人と話していると」だそうです。

 ということで、お義母さんの最初の質問はこうでした。
「じゃあ、やっぱり、○○(誰でも知っている大手生保の会社名です)の○○(その会社のメイン商品で、CMでよく見る保険の商品名です)なんかも良くないんでしょうね?」
「良くないもなにも、あなたが売っている商品と全く同じでしょ?お子さんからも“もう、保険に関してはお母さんの話は一切信用しない”って言われてしまうような保険ですよ。それはおわかりですよね?」
「ええ。○○も○○も○○も(その他の大手漢字生保のメイン商品名)、みんな同じですよね」
「そう、同じです」
「なぜ、どの会社も同じ商品を売るんですか?単に真似してるだけなんですか?」
「そりゃ、真似といえば真似ですけど・・・その前のメイン商品だった“定期付き終身保険”の頃だって、どの会社も同じだったでしょ?」
「そう言われればそうですよね」
「なぜ、どの会社も同じ“定期付き終身”を売っていたのか、まさか今まで知らなかったんですか?」
 教官は少々呆れ顔です。 

 教官のこの言葉に、お母さんは
「今までは、新しくて良い商品だからだと思っていたんですけど・・・良い商品じゃないんですものねぇ・・・」と思案顔です。

「そう、“良い商品だから”で正解なんですよ。ただし、契約者にとってではなくて、会社にとってですけどね。簡単に言うと、儲かるから、利益率が高いからですよ。それを各社が売っていたから、契約者は1528万円も払って、わずか284万円しか受け取れなかったんでしょ。それでいて契約者からは詳細な内容が分かりにくい、契約時には保険料がそれほど高くない、特約をたくさん付ける事でお買い得感や新商品感を演出できる、更新時に転換を勧めやすい・・・会社にとっていろいろなメリットがあるんですよ。つまり、会社にとっては非常に儲かって、しかも売りやすいという、言わば究極の商品だから、どの漢字生保も同じものを売っていたんですよ」

 お義母さん、またまた目からウロコ状態!何度も何度もうなづいています。続いてこう質問しました。
「じゃあ、なんでそんな会社にとって都合の良い“定期付き終身”から、各社一斉に今の商品(各社がコマーシャルで宣伝している商品です)を売り出したんですか?」 
「あなたは何でだと思います?素直に考えて見て下さい」
 お義母さん、今度は即座にこう答えました。
「やっぱり、会社にとって、もっと都合がいいからなんでしょうね・・・あ、予定利率の問題ですか?」
「そう。もちろんそれもありますよ。週刊誌なんかでは、その点ばかりを強調して非難しますが、それはいくつかある大きな理由の一つでしかないんですよ」
 ちなみに“予定利率の問題”については私が説明しておきましょう。これは、昔の高い利率の商品を、低い利率しか約束しない新商品に変えることで、会社の金利負担を減らすという事です。この点が雑誌などで非難されていますが、教官の説明によれば、理由はその他にもたくさんあったんです。
(続く)

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