生命保険のコンサルティングの実況中継のコーナーです。私の友人(大手生保のセールスをやっているお義母さんから保険に加入。絶対解約できないと言っていたのに、わずか30分で解約を決意した)への、私の先生のコンサルティングです無事コンサルティングは終了。ご興味ある方は是非バックナンバーをご覧下さい。現在はその後のエピソードをお送りしています。
なぜ、保険会社にとって非常に都合のよい「定期付き終身保険」から、各社が一斉に現在広告中の「新商品」に移行したのか・・・雑誌などでは「予定利率」の問題を引き合いに出して非難していますが、その他にもたくさんの理由があるのです。
教官は説明を始めました。
「簡単に言えば、主力商品である定期付き終身保険に、もはや売れる見込みがなくなってしまったんですね。その最大の原因は景気悪化なんですが、加えて、雑誌などが定期付き終身保険の問題点を取り上げて公表する、私のようなカタカナ生保の人間が適正なコンサルティングを行うと、少しずつではありますが、消費者は定期付き終身保険とその販売を推進する大手生保の実情に気付いてしまったんですよ。」
「その結果として、大手各社ですらも、新契約よりも解約の方がはるかに多く、営業成績は完全にマイナスになってしまったんです。 まあ、あんな商品、売れてしまうほうが問題なわけで、売れなくなって当然なんですけど、会社は困るわけですよ。いくらキャンペーンやCMをやったところで、売れないものは売れないんですから、どうしようもないわけですね。」
「その結果、何を考えたかと言うと、これはホント、わかりやすく言っちゃいますけどね、1商品あたりの利益率をもっと上げようと考えたんですよ。どういう事かと言いますと、何度も出て来る数字ですけど、1世帯あたりのお支払い保険料累計の平均が、1528万円、対して保険会社からもらえる金額の平均が284万円。これを粗利になおすと、なんと83%弱というとんでもない数字になるんですが、その利益率をさらに上げようとして考えられた商品・・・それが、今、大手生保各社が横並びで販売している“新商品”なんですよね」
なんだかすごい話になってきました。お母さん、ただただ聞き入るばかりです。
「この、1世帯が保険会社からもらえる284万円という金額、大手生保のセールスであるあなたなら、何となく説明がつきませんか?」
お義母さん、これにはすぐに返答をしました。
「定期付き終身の終身部分の平均ということですか?」
「そう。ほぼ正解です。実際の平均の保障額はもう少し多いでしょうね。あなたの場合、今まで販売した定期付き終身の終身部分の平均保障額、どのくらいですか?」
「そうですね・・・大体300万円のことが多かったですね。それ以上になると、お金持ちじゃないと売りにくくなっちゃいますから」
「あなたの会社だと、それが最低金額ですか?」
「ええ、通常は。若い人向けの商品で200万というのもありますけど。あ、おこづかい付きの商品なら終身ゼロもありますね」
「そうですよね。大体大手の場合は最低が200万から300万でしょ。だから、4000万とか5000万の保障と言って販売していても、実際は終身部分の保障額以下しか平均ではお金支払っていないんですよね。もちろん、中には早く死亡して高額の保障を受け取る人もいますよ。でも、それは、保険なんですから当然のこと。食べ物屋で食べられるものが出て来るのと何ら変わらないんですよ。それを、さも自慢げに“私の使命だと感じた”とか“素晴らしい仕事ができたと感じた”なんて発表するセールスの言葉が社内報なんかで掲載されるじゃないですか・・・、本当にレベルが低すぎて話にならんですよね!」
教官、話しているうちにエキサイトしてきたようです。もともと短気な人なんですよ。
(続く)
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