生命保険のコンサルティングの実況中継のコーナーです。私の友人(大手生保のセールスをやっているお義母さんから保険に加入。絶対解約できないと言っていたのに、わずか30分で解約を決意した)への、私の先生のコンサルティングです。コンサルティングは終了しました。ご興味ある方はバックナンバーをご覧下さい。現在はその後のエピソードをお送りしています。
では行きましょう。お母さんからの、まず最初の質問は“定番”のこれでした。
「じゃあ、やっぱり“転換”なんて、やっちゃいけないんでしょうね・・・?」
教官、笑って答えました。
「いやぁ、必ずその話が出ると思いましたよ。ええ、その通り。マズイですよね。ごく稀な場合を除いては」
「ごく稀な場合って、どんな場合ですか?」
「あなたはどんな場合だと思います?」
「・・・いや、もう分からないですよ。そりゃ、会社からは“こういう時には転換を”って教えられたましたけど・・・どうせ、それも間違いなんでしょ?」
「ええ。でも、やってるんでしょ?」
「はい。それが当たり前だと思ってましたから・・・」
「で、あまり良くない事だとは考えなかった?」
「いえ、雑誌や朝日新聞なんかでものすごく批判されたでしょ。そのことは会社でも話題になってましたから、“そんなに批判されなくちゃいけない事なのかな”とは思ってましたけど・・・具体的にどこが悪いのかわからないし、会社は“あの記事は単なる誹謗だから自信をもって転換をお勧めするように”って言うし、どうしても転換しないと売りにくい時も多いし・・・何となく気にしながら続けていたんですよね。“予定利率の高い商品から低い商品に転換させるから悪い”って記事に書いてあったのは理解できたんで“それならマズイな”とは多少は思っていたんですけど・・・」
「ホント、会社のそうした態度がフザケてるんですよね。・・・いや、予定利率の問題じゃなくて“単なる誹謗だ”とか言ってしまう態度がですよ。東洋経済とかダイヤモンドが、年1回“生命保険特集”ってのを出すでしょ?その中でも御社の偉い人が、わざわざ“転換はお客様にとって良い方法である”なんて開き直った発言をしてるんですよ!」
今になってこの文章を書いていたら、昨今問題を起こしたどこかの企業のことを思い出してしまいました。
私もその朝日新聞の“転換弾劾キャンペーン”の記事は非常に興味深く読みました。中でも印象深かったのは“転換・・・罪深いと思いつつ”という小見出し。あの記事を読んで、それでも“自信を持ってお勧めしなさい”なんてセールスさんに言う会社が実際にあるんですね。お義母さんの言葉で、教官が、会社本位、契約者無視の会社を批判するのが改めて納得できました。
さて、転換に関する会話は続きます。
「じゃ、わかりやすく言いますね。どんな時に転換を勧めてました?」
「そりゃ、保険の見直しの時ですよ」
「見直しの時ってどういう時ですか?」
「そうですね・・・結婚した時とか、子供が生まれた時とか、あと、更新が近付いた時とかですね」
「・・・まあ、あなたはきっとそういう時に見直しの提案をしていたから10年も続けられたんでしょうけれども、
会社の他の人も、そういう時に転換を勧めてました?」
「どういう事ですか?」
「会社のテキストに“こんな時には見直しを”って書いてあったから、そういう答えになったんでしょうけど、実はそうした時以外の方が、転換を勧めた回数は多いんじゃありません?特にあなた以外のセールスさんは」
「???」
「会社で新商品が出た時とか、キャンペーンの時とかに勧めていた回数の方が多いんじゃありませんか?」
「あ!!そういうことですか。・・・それはそうですね」
「でしょ? 教科書には先ほど言ったようなことが書かれていたって、実際はお客様の状況の変化で見直しを勧めていた回数って、ごくわずかでしょ? それって、見直しと呼んでいたって、単なるセールスでしょ?そう思いません?」
(続く)
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