気づいてしまったお義母さん②

知らなきゃ大損! 生命保険の基礎知識

 生命保険のコンサルティングの実況中継のコーナーです。私の友人(大手生保のセールスをやっているお義母さんから保険に加入。絶対解約できないと言っていたのに、わずか30分で解約を決意した)への、私の先生のコンサルティングです。無事コンサルティングは終了。ご興味ある方は是非バックナンバーをご覧下さい。現在はその後のエピソードをお送りしています。

「実は“見直し”の時じゃなくて、新商品が出た時とか、キャンペーンの時に“転換”を勧めていたんじゃありません?」
 教官のこの言葉に、お義母さん、またまた納得です。
「そうでしょ?だから、会社は“見直しの時には転換を”なんて教えてはいても、ほとんどの場合は見直しでも何でもないんですよね。ただセールスさんにセールスをさせるための会社の方便なんですよ」
「・・・ホント!今になって、そう言われてみれば、その通りですよねー・・・」
「じゃ、お分かりいただいたところで本質的な話に入りますけど“保険の見直し”って何故必要なんですか?」
「今までの保障額じゃ足りなくなったから、じゃないんですか?」
「それなら転換しなくたって、不足の保障額分を買い足せばいいでしょ?」
「ええ。でも、それは会社の規定で出来ないことが多いから・・・」

「それは会社の都合でしょ? カタカナの会社ならどの会社だって出来ますよ。転換の正当化の理由にはならないですよね?あとはどんな時に“見直し”と称して転換を勧めます?」
「新商品が出た時やキャンペーンの時は、これは明らかに会社側の都合ですもんね・・・あとは、更新で保険料が上がる時には勧めますよね・・・これもダメなんですか?」
「それだって、更新で保険料が上がる部分だけを見直せばいい話でしょ? 何故、契約時の保険料がずっと変わらない終身部分まで含めて、契約の全部を変更しなくちゃいけないんですか?」
「・・・そうですよね・・・やっぱり会社の規定とか、手数料の問題とか、結局会社側の都合ですよね・・・」

 うーん・・・どういう話になっても結局は保険会社の都合なんですね。

 お義母さんは思い出したように、こんな質問をしました。
「あのー、こんなこと聞いて失礼かもしれませんけど、あなたはお客様に転換を勧めたことはないんですか?」
 教官、突如大笑いです。
「ハッハッハ、ありませんよ!ご存知なかったですか?ほとんどのカタカナの会社には、転換なんてシステムはないんですよ」
「そうなんですか!?」
「そうですよ。知らなかったんですか?・・・何故だか分かります?」
「いえ、もう何を聞かれても自分が無知だと知るだけですから、教えて下さい」
「いや、そんな事言わないで下さいよ。何度も言いますけど、あなたが無知な訳じゃなくて会社が悪いんですから。まあ、その理由は簡単。ほとんどのカタカナの会社が無配当の保険を売っているからですよ」

 ここで私からの注釈です。配当のある保険の場合、長期にわたって継続している契約には、プラスαの配当が付くんです。もっとも今時は配当なんてほとんど無いですけど。転換の場合は、新しい契約になっても累積期間は前の契約を引き継げるんです。

「でもね、これ、実は非常に大切な事なんですよ。配当があれば長期継続配当の問題がありますから、転換の意味もゼロというワケじゃないですけど、でも、その点以外には転換がお客様にとって得になる要素がないから、会社全体として転換のシステムを行っていないという事でしょ?」
「そうなんですか?」
「そうですよ。冷静に考えてみて下さいよ。転換って、元の契約で貯まっていたお金を次の保険の一時払い保険料に充当するということでしょ?解約して新しい保険に入るのと何ら変わらないじゃないですか」
「まあ、そうですよね。でも、そのどこがそんなに悪いんですか」
「いいですか。この話が出た時には、私、必ず言うんですけどね、大手生保のセールスの皆さんって、非常に矛盾した事をお客様に言っているんですよ」
 さて、一体どんな矛盾した言葉なのでしょうか?
(続く)

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