気づいてしまったお義母さん③

知らなきゃ大損! 生命保険の基礎知識

 生命保険のコンサルティングの実況中継のコーナーです。私の友人(大手生保のセールスをやっているお義母さんから保険に加入。絶対解約できないと言っていたのに、わずか30分で解約を決意した)への、私の先生のコンサルティングです。無事コンサルティングは終了。ご興味ある方は是非バックナンバーをご覧下さい。現在はその後のエピソードをお送りしています。

 教官は、いまひとつ納得の行かない表情のお義母さんにこう言いました。
「大手生保のセールスさんは、転換に関して、お客様に非常に矛盾した事を言っているんですよ」
 さて、どんな言葉なのでしょうか?その答えに私もお義母さんも興味津々です。

「それはね、長期継続配当の問題がなければ、転換って、前の契約をそっくりやめて、そこに貯まっていたお金を使って、そっくり新しい契約にしてしまうだけでしょ?」
「そうなんです・・・・・・か???」
「そうでしょ?考える必要ないじゃないですか。だって、新たな年齢で新たな保険に契約し直すんでしょ?」
「ええ、その通りですね」
「ということは、配当の問題を除けば、解約して新たに契約するだけなんですよ。それなのに“見直しすればお得ですから”って言いません?」
「はい、言ったことあります・・・」
「でね、一方で、お客様から“保険を解約したい”っていう連絡を受けた時には、こう言って引き止めません?“解約は損ですよ”って」
「あっ!」

 お義母さん、何度目かの“目からウロコ”の瞬間です。
「ねっ、わかったでしょ?転換のときは“下取りすればお得ですよ”って言って、解約の時は“解約は損ですよ”って言う。どっちも解約なんですよ。それが会社とセールスさんの都合によって“お得”になったり“損”になったりする。本当にお客様を馬鹿にしたやり方だと思いません?」

 本日何度目かの“大反省”の様子のお義母さんに、教官はさらに衝撃の言葉を発しました。
「でもね、転換が良くない理由の本質は、もっと別のところにあるんですよ」
 お義母さん、もはや開き直り状態です。
「もう!とにかく全部教えて下さい!!」

「いいですか、どの点に関しても結局は同じ話になるんですけど、保険契約者が保険会社に支払う保険料の累計額の平均が1528万円、対して受け取れる金額の平均が284万円という現状は何度も言いましたよね。これを単純に粗利にすれば約82%。これだけでもヒドイ話なんですけど、転換した場合、この粗利がもっと高くなるんですよ。単純に言えば、この数字以上に保険会社は儲かるんです」
「そうなんですか?」
「そうですよ。今すぐ数字は出せないですけど、ご自分で計算してみて下さいよ。同じ年齢で、全期型(更新のないタイプのこと)と10年更新を途中で2回転換するのと・・・この人が平均寿命まで生存した場合の利益率の差を確認すれば、その差がわかりますから」
 この件に関して、後日、お義母さんから連絡がありました。残念ながら上手く計算ができなかったとのこと。教官は“しょうがねーなー、セールス10年やってて、こんな計算もできないんだよ。わかるでしょ、日本の生保業界の現状のレベルが”なんて言っていました。しかし、口は悪いけど実は面倒見の良い教官。私の前で実際に計算してその結果を見せてくれたんです。

 本当に転換の方が保険会社は儲かるんですね。そりゃそうですよ、だって転換で新しい契約になったら、またセールスさんへの手数料が発生するわけですから。儲かるから手数料が発生するんですものね。

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