生命保険のコンサルティングの実況中継のコーナーです。私の友人(大手生保のセールスをやっているお義母さんから保険に加入。絶対解約できないと言っていたのに、わずか30分で解約を決意した)への、私の先生のコンサルティングです。無事コンサルティングは終了。ご興味ある方は是非バックナンバーをご覧下さい。現在はその後のエピソードをお送りしています。
教官は“転換”が契約者にとって有効なケースとして、2つの例をあげました。
1つは急に子供の数が増えた(例えば5つ子が生まれた)ような場合、もう1つは脱サラして事業をはじめ、その開業資金を親戚から借りた場合。いろいろ考えても、転換が契約者にとって有効というケースは、このぐらいしか思い当たらないとの事です。
すると、お義母さん、なぜか納得の行かない表情です。
「それだけですか?そんなケース、滅多にないじゃないですか」
「いや、その上で、さらに条件があるんですよ」
「まだあるんですか?」
「そうですよ。しかもこの条件をクリアしなければ、今言ったような滅多にいないような状況の人がいたとしても、転換の意味なんか、全くないですからね。どんな条件か、わかります?」
「まったくわかりませんよ。もう、今日はずーっと、自分にとっては未知の世界なんですから。10年も保険の仕事をして、知らないことばかりだと、イヤになるばかりですよ」
「そうですか。簡単な事なんですけどね。それはですね、転換前の契約に解約金が溜まっていること・・・つまり、解約金が溜まりやすい契約内容・・・ということは、転換前の契約は、ほぼ単体の終身保険か養老保険である必要があるんですよ」
「ああ、そりゃそうですよね。お金が溜まっていなかったら転換できないですものね。言われればわかりますけど。でも、今までは、ほとんどお金の溜まっていない契約を、もっとお金の溜まらない契約に転換することばかりしていて・・・ホント、良くない事をしていたんだと、つくづく思いますよ」
お義母さん、教官のわかりやすい説明に、いかに自分の行っていた“転換”が、契約者のためにならないものかを充分に理解したようです。
教官は続けます。
「そう。転換は、生活環境に大きな変化があって、それが急激な必要保障額の変化をもたらし、そのために保険の契約内容をガラっと変える必要がある場合に限って有効なんですよ。ですから、大手漢字生保のやる“定期付き終身から定期付き終身”なんていう転換は、保険会社にとってはオイシくて仕方ないでしょうが、契約者にとっては何の意味もない行為なんですよね」
「・・・よくわかりました。今まで自分のやっていたことを考えると、ホント、イヤになっちゃいます・・・ここまで話を聞いちゃうと、明日からは転換なんかできないですよね。でも、そうしたら今より売れなくなっちゃいますよね・・・仕方ないですけど・・・」
「そんなことないでしょ?」
「いや、前よりは売れなくなりますよ」
「それは、自分の契約者に売ろうとするからでしょ?他の会社の契約者で、過去に転換させられている人に、今の話をしてあげたら、今までより売れるようになるんじゃないですか?ただ、販売する商品が、会社の利益しか考えない商品では仕方ないんですけどね」
「そうなんですよ。おっしゃる通り、会社が“売れ”っていう主力商品しか売れないですからね。結局、ウチの会社の商品なんか売れないほうがイイんですね・・・つくづくあなたの言う通りだって思いますよ。最初は“何てヒドイことを言うんだろう”って思ってましたけど・・・考えなきゃいけませんね」
実は、お義母さん、この時、会社を辞める決意をしていたんですね。次回は衝撃の発言です!
(続く)
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