昨今の低金利で変額保険の提案を受ける方が多くいらっしゃるためか、変額保険に関する質問がとても多くなっています。具体的な質問の前に、まずは変額保険の基本について分かりやすく説明しましょう。
変額保険に対する保険は「定額保険」です。この両者の違い、つまり「何が定額で、何が変額なのか」さえ把握すれば、変額保険の基本は分かったも同然です。
違いは「解約返戻金の金額」なのです。
定額保険(=変額保険以外の保険すべて)は、解約返戻金の金額が、契約時に約束されていますが、変額保険は「解約返戻金の金額が、運用状況に応じて変動する」という違いがあるのです。
現在の日本は超低金利の時代。その中で、保険会社は預かった保険料を運用し、解約返戻金を貯蓄しなければなりません。定額保険の場合は、その金額が契約時に約束されていますから、金利が低くても、運用状況が悪くても、約束しただけの金額を確保しておかなければならないのです。運用益が出ず、約束した金額に達しないと「逆ザヤ」とよばれる状態になり、経営状態が悪化することになります。その点、変額保険は、解約返戻金は運用状況に応じるのですから、保険会社から見れば、逆ザヤが発生しにくいということになります。
このことは保険会社だけでなく、契約者にとっても利点をもたらします。それは、解約返戻金を約束しなくても良い分、保険料が安くなるということです。かつての高金利の時代には、定額保険よりも変額保険の保険料の方が値段が高かったのです。しかし、今は未曾有の低金利。選択次第で、定額保険よりも2割程度安い保険料で保障を買うことができます。万一の際の保障については最低保険金額は保障されていますから(運用状況が良い場合には保障額もアップ)、一般家庭における保障の確保という点では、変額保険を上手に活用するのがお得と言えます。
次回からは具体的な質問を提示して行きます。
(続く)
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