医療保険に関する質問は非常に数多くいただきました。高齢化や国の健康保険制度への不安など、医療や介護に関する関心が高まっているということなのでしょうね。
さて、ここで改めて申し上げますと、私には生命保険のことを教えてくれる「教官」が複数います。ご質問に対して返事をさせていただく際には、必ず教官にチェックをしてもらう事にしています。間違った情報を流しては大変ですからね。
もちろん医療保険に関する質問への回答も同様ですが、その際に面白いことに気付いたのです。皆さんの医療保険選びにも役立つと思いますので、まずはそのことをお話したいと思います。
医療保険に関する質問で特徴的なのは、ものすごく細かい質問があるということです。例えば「メットライフの医療保険とアフラックの医療保険では、給付の内容がどう違うのですか」のような感じです。その場合、複数の教官に教えを乞うこともあるのですが、何度も質問していたら、聞けば聞くほど私の頭の中を混乱させる教官(その教官が悪い教官と言うわけではありません)と、私の頭の中を整理してくれる教官がいることに気付いたのです。
私の頭の中を混乱させてしまう教官は、医療保険に非常に強い会社の人で、他社の医療保険も含めて、細かい商品知識をたくさん持っています。
一方、私の頭の中がすぐ整理がつく教え方をしてくれるのが、医療保険に特化しているわけではない会社に所属する教官。
前者の教官の方が、後者の教官よりも、医療保険に関する詳細な知識を持っています。後者の教官も「医療保険ならあっちに聞いたほうがイイよ」と言いますから。でも、質問に対する回答は、2人とも結局はほとんど同じなんです。
つまり、皆さんが医療保険を選ぶときに「まずは細かな商品知識を集めてから比較」というやり方では、頭の中が混乱して、結局どの商品が良いのかさっぱりわからない・・・ということになりがちなんです。それよりも、基本さえ押さえていれば結局は自分にとって正しい商品を選べるということになるのでしょう。
私の場合は、混乱しても「結局は・・・」を教えてくれる教官が傍にいるからいいのですが、そんな稀有な環境はなかなかないでしょうから、少しでもこちらでお役に立てる情報をご紹介したいと思っています。
<質問>
医療保険にはたくさんの種類があって迷ってしまいます。選ぶ際の基本について教えて下さい。
<解説>
たくさんの種類があると言っても、生命保険には
●定期保険 ●養老保険 ●終身保険
の3種類しか存在しません。医療保険も生命保険である以上、上記のいずれかに含まれます。つまり、一定期間で保障が終わる(例えば70歳満了)のであれば定期、一生涯保障が続くなら終身、と考えると整理がしやすくなります。
にも関わらず「種類が多い」と感じてしまうのは、それこそたくさん存在する「オプション」を含めて1つの商品と考えてしまうからで、その結果、選択の際に混乱が生じてしまうからなのです。
医療保障の基本は「入院給付金が1日あたり何円なのか」でしかありません(手術は程度に応じて日額の●倍)。まず保障期間と給付金の日額を考え、それが決まったら、その後、自分が欲しいオプション(例えば、三大疾病の場合はプラス〇千円)を追加で買う・・・という選び方であれば混乱は少なくなると思います。
「保障期間」と「日額」をしっかり決めない内に各社のパンフレットなどを集めてしまえば必ず混乱が生じてしまいます。パンフレットにはオプションもセットで月々いくら‥‥と書かれていますし、例示されているオプションも会社ごとに違うのですから。
保障期間と日額をしっかりと決めた上で各社を比較してみると、どの会社もほとんど差がないことがよくわかります。1社だけが持っているサービスというものはほとんどありませんし、保険料も僅かな差しかありません。ですから本来は迷いなど生じるはずもないんですが、もし今、あなたが迷っているのであれば、それは基本的な考え方に立ち返る必要があると感じます。
まずは「保障期間」と「日額」を決める。それが出来なければ先には進めません。例えば「入院1日目から●日分上乗せで給付します!」だってあくまでもオプションです。その分のオプション料金を払って「買う」ものなんです。
(続く)
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