医療保険で迷わない(2)

医療保険

<質問>
 医療保険にはたくさんの種類があって迷ってしまいます。どう選ぶべきか、教えて下さい。

<解説>
 医療保険加入の基本は3つあります。
 1、単体の「医療保険」に
 2、終身保障で
 3、1人1契約

 解説すると、「単体の医療保険に」とは「特約での加入はNG」という事です。
 死亡保障の保険は、子どもの自立以降は必要性が徐々に低くなって来るものですが、医療保険は年齢が高くなるにつれて重要性が増してくるものです。従って高齢になると「死亡保障はもういらないが医療保障だけは欲しい」と言う方が増えるのですが、特約だけを残すことは、設計上は不可能だからです。主契約の保障部分を継続しなければ入院特約も継続できません。
 その他、特約であるが故に、保険料払込終了時に一括で多額の保険料を支払う必要が生じるケースもあります。様々な利便性を考えて、医療保障は単体の医療保険で準備すべきでしょう。

 2の「終身保障」については明らかですね。医療保障こそ一生涯の保障が必要になります。前回は「保障期間と日額をまず決める必要がある」と述べましたが、個人の医療保障においては、保障期間は終身が必要になるのです。であれば10年更新型の医療保障などは比較の対象から外すことでき、選択の際の余計な混乱を避けられることになります。

 3の「1人1契約」というのは、たまにご主人の医療保障のオプションとして奥様の保障が付いている契約を見かけますが、これだとご主人が死亡した後、奥様は高齢にもかかわらず医療保障なしの状態になってしまいます。だから、1人につき1契約が必要となるのです。

 上記3点が医療保障加入の際の基本となります。

<質問>
 医療保険に加入しようとしましたが、パンフレットを見るとたくさんの特約がついていてよくわかりません。特約にも必要性の高いものとそれほど必要でないものがあると思うので、優先順位を教えて下さい。

<解説>
 パンフレットやチラシに記載されている医療保険の契約例には、通常、複数の特約が付加されています。さらに記載されている特約の種類は、当然のことながら、各社均一ではありません。
 A社のパンフレットに例示されている商品には「三大疾病の入院日数無制限」の特約が付いている、しかしB社のパンフレットにはその特約が付いていないかわりに「通院特約」が付いている・・・これを比較しようとしても、商品内容が違うのですから比較は不可能です。にもかかわらず沢山のパンフレットを前に「どれがいいか」と迷う無駄な作業をしてしまう人が非常に多いのです。
 パンフレットに記載されている内容は、あくまで「契約の一例」ですから、例示されている契約内容でなくても、規定の範囲内で自由に特約を決められるのです。
 死亡保障型の生命保険と同様、医療保険も、はじめからいろいろな特約がセットになっている商品は避けた方が賢明と認識しておけば間違いないでしょう。セットにして販売するのは、その方が会社が儲かるから、あるいは会社の都合(ネット通販商品などは手続きの関係上セットにせざるを得ない)でしかないのですから。

 幸いなことに、医療保険を単体で販売している生命保険会社は、パンフレットにはいろいろな特約が付いていても、契約時に「何の特約もいりません」でも「この特約だけ付けて、あとはいりません」でも、問題なく契約できます。
 ですから、どの特約の必要性が高いかを考える前に、まずは医療保険の主契約部分をきちんと認識することが必要です。「入院給付金日額〇千円、手術は程度に応じてその●倍」・・・これが主契約の部分で、他は「特約」付加を選択することができる・・・この基本をしっかり認識することが大切です。
(続く)

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