前回に引き続き、医療保険に関する質問です。
<質問>
医療保険に加入しようとしましたが、パンフレットを見るとたくさんの特約がついていてよくわかりません。特約にも必要性の高いものとそれほど必要でないものがあると思うのですが、その優先順位を教えて下さい。
<解説>
パンフレットやチラシに記載されている医療保険の契約例には、通常、複数の特約が付加されています。さらに記載されている特約の種類は、当然のことながら、各社均一ではありません。
A社のパンフレットに例示されている商品には「日帰り入院から10日分の給付」の特約が付いている、しかしB社のパンフレットにはその特約が付いていないかわりに「通院特約」が付いている‥‥これを比較しようとしても、商品内容が違うのですから比較は不可能です。にもかかわらず沢山のパンフレットを前に「どれがいいか」と迷う無駄な作業をしてしまう人がとても多いと感じます。
パンフレットに記載されている内容は、あくまで「契約の一例」ですから、例示されている内容でなくても、規定の範囲内で自由に特約を決められるのです。死亡保障型の生命保険と同様、医療保険も、はじめからいろいろな特約がセットになっている商品は避けた方が賢明と認識しておけば間違いないでしょう。セットにして販売するのは、その方が会社が儲かるから、あるいは会社の都合(通販商品などは手続きの関係上セットにせざるを得ない)でしかないのですから。
特約を付ければその分、保険料は高くなります。「〇年間無事故の場合には〇万円のお小遣い」なんてのはその典型。その分、余分に保険料を払っているだけのことであって、お得でも何でもありません。
さて、以上をふまえた上で、いろいろな特約の必要性について教官に尋ねたところ「そりゃ、一概には言えないよ。あくまで本人の希望だからね」という前置きの後、「だからこそきちんとコンサルティングできる人に相談することが絶対に必要」との事でした。しかし、それでは面白くないので、あくまで読んでいただいている人の参考までにということでコメントを求めると「私見だからね」ということで、いくつかの見解を示してくれました。
まず、前述した「入院一時金」について。これは、教官の考えでは「オレはいらないから自分の保険にはつけていない」とのこと。理由を尋ねると「医療保険は、あくまで中長期の入院に対する金銭的負担を軽減するためのもの。例えば1週間入院したって、そりゃ、それなりのお金は掛かるけど、通常は生活に支障はきたさない。そのために余分な保険料を払うのはかえってコストが掛かるから」とのことでした。なるほど、そういった考え方もあるんですね。
(続く)
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