今回も、前回からの続きです。
<質問>
保険を解約しようとして担当に連絡したら、いつまで経っても書類が送られて来ません。電話をしても何だか居留守を使っているようで、連絡が取れないのです。どうしたら良いでしょうか?
<解説>
担当に連絡せずに、○○生命××支社に保険証券と契約印と身分証明を持って行けば解約は5分で終了、なーんだ、それだけのことか、と思いきや、ここからの話がナント3時間も続いたのです。かつてはトラブルがあまりに多かったらしいんですよ。
ここからは教官とっておきの話。これを聞いた時には、書いて良いものか迷いましたが、教官が、「かまわないよ、お前が勝手に書いたんじゃなく、オレが国内大手生保の人間から話を聞いて、実際に見た事をお前に伝えて、お前はただそれを報告する。とにかく事実なんだからな」と言うので思い切って書いてしまいます。改めてお断りしておきますが、これは実際に教官が直接耳にし、目にした実話の報告です。そしてあくまで一例でもあります。ただし事実であることは間違いありません。
「10年近く前のことになるけど、オレ、セールスレディが“解約防止マニュアル”ってのを持っているのを見たことがあるんだよ。おそらくその営業所だけの文書で、会社ぐるみでそんな文書を作らないとは思うけど、当時の業界の契約者無視の姿勢はよくわかる文書だったし、ヒドい話だったよ」と教官。当時は国内漢字生保が軒並み新契約よりも解約の方が多い状況に陥った頃。必然的に解約防止に力が入っていたそうです。そんな時、教官は、飲み屋で知り合った大手生保のセールスレディさん(他のセールスさんに教える立場の人だそうです)から、解約防止の話を聞き、書類も見せてもらったそうなんですね。
まず、解約の連絡があったら、セールスさん曰く「シカトよ、シカト。所長には言いずらいし、部下に示しがつかないじゃない」と、酔っ払って楽しそうに言っていたそうです。「そうすれば、1ヶ月ぐらいはすぐに経っちゃうでしょ」話は続きます。
何ともヒドイ話です!
「そのうち本社に電話があったりして、シカトできなくなったら電話する」らしいのすが、電話しても「簡単に解約書類を送ってはいけない」と書類には書かれていたそうです。では、どうするのかと言えば「解約の電話をもらったけど、一体どうしたの、何かあったの?心配してたのよ」なんて感じで「解約という本題には触れないように話をするのよ」。それでもダメなら、お決まりの「解約は損なのよ、続けるから意味があるのよ」のセリフをしつこく言い続ける。このセリフは、セールスレディさんが持っていたマニュアルにもはっきり書かれていたとのことです。
こうして何とか3ヶ月は解約を引き伸ばす。その後は、解約をあきらめるかどうかに関わらず、次なる攻撃が待っています。それは「新たな契約のご提案」・・・つまり、転換契約(転換契約の酷さは関連記事をご覧ください)のおすすめなんですね。
元々解約の希望があったんだし、継続したって、いつまた解約を言い出すかわからないですから、ダメ元で新たな契約を勧めないと損!と言うものでしょうか。ここで「新しい、とっても良い商品が出たんですよ」のセリフとともに「下取りするからお得ですよ」の最悪のセールストークが出るんですね。いつも教官が言うように、これは全く矛盾した言葉。解約したら損なのに下取りならお得なんて、アメリカだったら間違いなく訴訟ものの言葉だそうです。
ともあれ、こうなってしまえば、話の焦点は解約から新たな契約をするかどうかに移行してしまいます。お客様は新たな契約のお勧めをかわすのに精一杯。こうして「何とか6ヶ月は継続させるようにしましょう」とマニュアルには書かれていたそうなんですよ。
(続く)
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