前回からの続きです。
コールセンターで「窓口の住所は規則で教えられない」と言われた教官、「それはオカシイ!」と追求すると、変わって電話に出た上司と思しき人間が、「担当者の勘違いでした」と、今度は丁寧に教えてくれたんですが、教官としては、用事は済んだからOKで済ませられるものではありません。さらに質問を続けたそうです。
「しかし、おかしいですよね。何故、先程の女性は“規則で教えられない”なんて言ったんですか?」
「いやー、本当に失礼いたしました。先程も申し上げたように、担当者の勘違いでして・・・」
「先程の方、社員の方ですよね」
「はい。社員です」
「そちら、本社なんですから、パートやアルバイトじゃないですよね。声からしても年配の方でしたから、昨日今日入社したワケじゃないでしょ?」
「はい」
「それなら何故“規則で”なんて言葉が出て来るんですか?そんな規則があるんですか?」
「いえ、ですから勘違いでして・・・」
「ホントに勘違いなんですか? 規則にはないけど、そういうマニュアルでもあるんじゃないですか?」
「・・・あっ、いえ、決してそんなことは・・・」
「まあ、いいでしょ。でもね、私がああいう風に聞いたから、あなたに電話を変わってもらって、窓口の場所を教えてもらえたけど、そうじゃなかったら“規則だから教えられない”で押し通されて、あのまま教えてもらえずに終わっているワケですよ。たくさんの人がそういう状況になってしまっているんじゃないですか?」
「‥‥あ、いや‥‥本当に申し訳ございません」
「謝ってもらおうと思って言っているわけじゃないんですよ。だけど、先程のような対応をいつもしているんだったら、多くの人が迷惑するから、もしかして、そういうマニュアルでもあるんじゃないですか?って聞いてるんですよ。だから先程の女性は、“規則だから教えられない”なんて、間髪入れずに答えたんじゃないですか?」
「・・・いえ、そうじゃなくってですね・・・」
なんとも歯切れの悪い、微妙な受け答え。
「じゃあ、消費者センターに状況を報告しても構わないですね」
「それは困ります!」
「何で? だって、やましいところがないのなら平気でしょ?」
「いや、やましいところは無くても、やはり苦情を持ち込まれるのはちょっと・・・」
「苦情じゃないですよ。状況を報告して事実確認してもらうだけです」
「イヤー、どうか、それはご勘弁願いたいと」
「おかしいですねー。なんでご勘弁なの? やましいところは無いんでしょ?」
「・・・いや、その・・・」
「じゃあ、まあ、いいでしょ」
「ありがとうございます!」
「その代わり、また電話して、同じ対応をされたら、今度は即座に消費者センターと金融庁と生命保険協会に苦情を持ち込みますよ。いつ、また電話するかわかりませんよ。大丈夫ですか?」
(続く)
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