「掛け捨ては損」「掛け捨てで充分」はどちらも間違い(1)

知らなきゃ大損! 生命保険の基礎知識

 このことについては、これまでまとまった形では書いていなかったと思いますから、ちょっと気合を入れて書こうと思います。・・・と言っても、教官が最近、この話を非常にわかりやすく書いてくれたので、その引用が大部分なんですけどね。
 でも、役立つ情報なので、自信をもってパクっちゃいます(もちろん教官の了解済みですよ)。

 教官の知り合いの方が、お母様からこう言われたそうです。
「やっぱり保険は郵便局だよ。だって、郵便局なら掛け捨てじゃないから」
 その方は生命保険会社に勤務の方でして、「息子が民間生保に勤務しているのに、その親がそういうことを言うんだからな~。こういうのは一種の信仰みたいなもんだよな~」と言ったとか。年配の方には、こんな“思い込み”をしている人も多いようですけども、年齢に関わらず「掛け捨て」とか「掛け捨てじゃない」についての基本的なことを理解していない人が非常に多いんですね。

 一方、最近では、テレビや雑誌で「生命保険は掛け捨てで充分」なんて根拠もなく言い切っちゃう人がいる。
 私、教官に聞いてみたんですよ。「あれ、どう思います?」って。
 そうしたら教官、こう言っていました。
 「まったく困るよね、ああいう無責任な人は。あれは単なる人気取りの売名行為みたいなものだもんね。いかにもそれらしく聞こえるけど、言ってる事はメチャクチャだからな~。しかもあのオバサン、明らかな間違いを平気で喋るから。テレビに出るような人が“掛け捨てにしなさい”なんて言ったら、単純にそれを信じちゃう人も多いだろうし。やっぱりオレやお前みたいな人が、大きな声でちゃんと言わないといけないのよ!」

 “掛け捨て”ってのは、保険の種類でも何でもないですからね。
 生涯にわたって保障が必要な部分については終身保険で設計する。終身保険には解約返戻金が“必然的に”ある。
 一方、一定期間でよい保障については、一定期間の保険である“定期”か“養老”を使うことになる。それが、保障だけで良いな
ら定期だし、無事な場合には貯金(学費の準備など)にもなっていた方が良いなら、養老を使う。前者には“必然的に”解約返戻金はないし、後者なら満期金があるから、“必然的に”解約返戻金は発生する、ということなんです。

 それを、“掛け捨てにしなさい”なんてのは本末転倒なんですよ。
 要するに、基本もわかっていない素人が“掛け捨てで充分だよ”なんて無責任に言ってるんです。そういうことをテレビに出て
喋る”自称ファイナンシャルプランナー”だったり、”自称FPブロガー”なんかがウジャウジャ居るんだから、鵜呑みにしては非常に危険ですよね。
 こうした素人の無責任な戯言が、“生命保険で大損”なんて事態をたくさん生んでいるんです。

 つまり、掛け捨てだとか、掛け捨てじゃないとかは、契約者が保険を“どう使いたいか”の問題であって、だから損だとか得だとか言っているような認識の仕方だと、「保険で大損」の可能性が非常に高くなってしまうのですよ。

 さて、ここで冷静に考えてみましょうか。
 多くの人は、

 ●少しでもお金が戻ってくる=掛け捨てじゃない
 ●1円もお金が戻ってこない=掛け捨て

 って思っている。だから勘違いして損をしてしまうんですね。
(続く)

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