前回、教官の著書に書かれた生命保険における迷信をとりあげました。もし、株の世界で、こんなに多くの迷信を信じたままで投資を行ったら、すぐにパンクしちゃいますよ。
「株」と書いたから、株式投資と比較して、ちょっと考えてみましょうか。
あなたのお友達が、こう言ったとします。
「ウチ、毎年、50万円ずつ株を買ってるんだ~」
さて、あなたは、なんて答えます?
「いいね~。ウチなんかそんな余裕、ないよ」
でも、よくよく考えてみると、毎月4万円の保険料を払っていたら年間では約50万円。これを40年間行えば2000万円。丁度、一世帯あたりの保険料累計の平均の金額になります。余裕が無くても生命保険は買っちゃう。こんなに大きな買い物なのにも関わらず、です。
「へ~、株、詳しいんだ。私なんか全然わからないから、買ったことないよ」
でも、詳しくなくても、生命保険には入っちゃうんですよね?
「大丈夫? 危なくない?」
口には出さなくても、そう思いますよね。でも、生命保険も同じ金融商品、そして平均で2000万円も払う買い物なんです。これは危なくないのでしょうか。
例えば、「土地を2000万円分買ったんだ~」 だったら、「何に使うの?」「いつ、どう役に立つの?」「投資効果はどれぐらいあるの?」「資金はどうやって調達したの?」「そんなことして、大丈夫?」ってことになるでしょ。
生命保険だって、一世帯あたり2000万円も払うんですよ。それなのに、「何となく」「こっちの方が良さそうに見えた」「どれも同じでしょ」「だって、必要でしょ?」「しつこく勧められたから」「親類が売ってるから」「お守りだから」「よくわかんないけど」
・・・。
こっちの方がはるかに無謀だと思うんですけどね。生命保険を「金融商品なんだ!」としっかり認識していれば、「値札も見ずに買っちゃう」なんてことが、いかに無謀な行動なのかがよくわかります。
生命保険は金融商品のひとつ、という正しい認識をもつと、このように考えることができます。
1.「生命保険も家庭の資産の一部」という意識になる。
えーと、はっきり言っちゃうと、この辺はほとんど教官の著書やブログのパクリです(笑)
だって、証券会社に勤務していた私ですら、生命保険は金融商品なんだっていう意識がなかったんですから。でも、「パクリOK」の了解は取っていますし、大事なことですから、どんどんパクらせていただきます。
生命保険を金融商品と認識していれば、当然、家庭の資産の一部なのだという意識が生まれます。例えば、1000万円の終身保険は、いつ、家族の誰が受け取るかは不明ながら、間違いなく家庭の資産としての1000万円なのです。だから、1000万の終身保険に加入したということは、1000万円の資産構築の準備をしたことになるんですね。
そう考えると、もったいない加入の仕方や、安易な契約は、家庭の資産を大きく減らしてしまうことになる、ということに気付きますよね。
そして、「何かあったら生命保険ですべてまかなわなければならない」という意識もなくなるかもしれません。
この意識、「生命保険で大損」という結果につながりやすいんですよ。
生命保険というのは、貯金や、社会保障や、会社の福利厚生制度や、団体信用保険でも足りない部分を補うための「金融商品」なんです。にも関わらず、万一のことがあったら、全部を生命保険で補わなければならないと思っている人、ものすごく多いんですね。
だから、保険料が多大なものになって、それが家計を逼迫する結果になってしまいやすいんですよ。
その典型が「学資保険」。
教官いわく、「子供が生まれたら“学費の準備”であって、“学資保険”ではない」。
これを勘違いしたために、「貯金になるから」と言われて、払った金額より貰える金額の方が少ない「マイナス学資保険」に加入しちゃう人が、いまだに後を絶たないんですよ。
(続く)
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