生命保険のコンサルティングの実況中継をお送りしていました。私の友人(大手生保のセールスをやっているお義母さんから保険に加入。絶対解約できないと言っていたのに、わずか30分で解約を決意した)への、私の先生のコンサルティングです。無事コンサルティングは終了しました。ご興味ある方は是非バックナンバーをご覧下さい。現在はその後のエピソードをお送りしています。
「いいですか、あなたの売っている保険の支払総額が2400万、対して契約者が受取ることのできる金額の平均はせいぜい284万円ですよ。私の売っている保険は、支払総額が700万、対して契約者の受け取れる金額の平均は、控え目に見ても最低700万円です!私がこの事実を、きちんと提示するだけで、普通の理解力を持った人間なら、誰だってあなたの保険から私の提案した保険に変更すると思うでしょ?あなたのお子さんだって変更したんですから。しかも“もう、お義母さんの保険の話は絶対に信用しない”とまで言われたから、私の話を聞きにきたんでしょ?これで私が売れる理由も、あなたが保険料の総額を言ったとしても、かえって売れなくなるという理由も明白でしょ?」
お義母さん“・・・ウーン・・・”と唸りつつ、こんな一言を発しました。
「・・・でも、それじゃあ保険会社が儲からないじゃないですか」
教官の次の一言がまた核心をつきます。
「なんで保険会社が儲からなくちゃいけないんですか?お客様が儲かればいいんでしょ?」
「でも、700万もらって700万払ってたら、会社が経営できないじゃないですか」
「じゃあ、銀行のことを考えてみてくださいよ。銀行は700万預けたら、700万プラス利子を支払うでしょ。それでなぜ経営できるんですか?」
「それはお金を貸して、利子で儲けるからでしょ?それに預かったお金を運用もするし」
「生命保険会社は同じ事をしてないんですか?生命保険会社って金融機関じゃないんですか?さらに、あなたの会社だと、ビルをたくさん持ってて、そこから莫大なテナント料だってもらっているでしょ?」
お義母さん、返事ができません。教官は続けます。
「それに、年間数億円の単位で掛け捨ての保険料を払う大企業だっているでしょ。そういうお客さんも含めて保険料が算出されているんでしょ。なんで、一般の庶民の契約者から1528万円も保険料をもらって、返すお金がわずか284万円で、経営できるできないの話になるんですか?」
「あのねぇ、保険会社っていうのは金融機関なんですから、お客様から700万預かって700万円支払っても経営が成り立つ、それで利益が出るものなんですよ。それを、何の罪もない多くの一般の契約者から、1528万円ももらって、それで284万円しか返さない経営って、全く常識はずれなんですよ?私の言っていること、わかりますよね?」
するとお義母さん、さらにこんな言葉を。
「おっしゃっていることはわかりました。そんな、1528万円もらって284万円しか返していないなんて、今まで知りもしなかったですから・・・。でも、今までずーっと、どこの生命保険会社も同じようにやってきたわけでしょ?生命保険ってそういうものなんじゃないんですか?」
教官、今度は強い口調でキッパリと言いました。
「その考え方が全然違うんですよ!!いいですか、世界中でそんな経営をやっているのは、日本の漢字の名前のついた生命保険会社だけなんですよ。あなた方はそれが当然としか会社から教えられていないし、当然のように思ってしまっているのでしょうが、世界中の大部分から見れば、あなたの所属している会社を含めた日本の数社だけが、極めて異常な経営をしているんですよ。それを勘違いして、あなた方が“普通は・・・”とか“どこの会社も・・・”だとか言ったら、他の大部分の生命保険会社は“一緒にするな!”って怒りますよ!」
この時の教官の目と口調は確かに怒っていました。もともと気の短い人ですから。
そして、少し心配になってお義母さんを見てみれば、下を向いているかと思いきや、口をポカンと開けて、声の出ぬまま教官の顔を見つめているんです。それが、まさに“目からウロコ”の瞬間であったということが、以降のお義母さんの態度の変化で、わたしにもはっきりとわかったんです。
(続く)
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