<質問>
家計が苦しいので保険料を安くしたいのですが、どの保険を選んだら良いのでしょうか?
<解説>
「やっぱり、保険販売の人と話をすると、売り付けられたり、しつこくされたりするんじゃないかと思うからなんじゃないですか?」そう聞いた私に、教官の答えはこうでした。
「そうなんだろうな。でも、それがそもそもの大間違いなのよ。まあ、これも大手漢字生保が100年掛けて作ってきた悪しき慣習から来るものなんだけどね。そもそも“売りつけられる”って感覚がおかしいんだよ。だってそうでしょ。千万単位の金を払う買い物だよ。それを少々しつこくされたぐらいで、“仕方ないか”って安易に買っちゃう?」
「まあ、今まではそうだったんだよな。だけど“それはちょっとおかしいぞ”って多くの人がもはや気付いているわけでしょ?例えば、親戚に車の営業マンが居るからって、いくら頼まれても不要な車は買わないよ。ところが生命保険は、“親戚が○○生命のセールスレディになったから”なんて意味の無い理由で不要なものまで買っちゃう、或いはその商品がどんなものかもわからないままに、安易にそっちに乗り換えちゃう。でも、生命保険って、車よりはるかに高い買い物なんだよ。だから、そんなことをしてしまうのは、単なる大馬鹿者の行為だって、もはや誰だってわかるよね。」
「だからね、しつこくされるのがイヤだったら、最初にきちんと言ってしまえばイイのよ。“私はあなたが有益な情報を与えてくれると言うから真剣に話をお伺いする。だけど、保険を売ろうとしつこくしたら、絶対にあなたから契約はしない。それでも宜しいですか”って。そうすると、ほとんどのちゃんとした営業マンはこう言うよ。“もちろんそれで結構です。いつも私はそのように営業していますから”ってね。それにね、本来、優秀な営業マンだったら、お客様にしつこくする必要なんか全然ないんだよ。だって、お客様が望むものを、納得する形できちんと提示すれば、それで契約になるんだから。つまり、しつこさを感じるような営業ほど能力が無いってことだよね。もしそんな人だったら、そのレベルの人の提案に、千万単位のお金を払う必要は無いんだよ」
なるほど~。確かに優秀な営業マンは絶対にしつこいセールスなんかしませんからね。私も以前の経験を思い出しました。教官をはじめとする、ウチの会社に関係している保険セールスの人たちと初めて話をした時のことはこのコラムをスタートした頃にも書きましたけど、誰も私にセールスしようとしませんでしたならね。あまりに売ろうとしないので驚いたくらいなのですから。
それに、教官の言うように、しつこくされたからと言って1000万単位の出費を必要とする買い物をしてしまうなんて、通常ならありえないですからね。だからやっぱり、毅然とした態度をもって専門家から話を聞いてしまうのが、最も簡単・確実な方法なのでしょうね。
「あのね、結局素人が最も陥りやすい失敗は、基本もわからず、その上その道のプロにも相談しないで、自分で調べようとしてしまうことなのよ。キミの場合は、保険について調べようと思ったら、どうする?」
「う~ん・・・教官に聞きます・・・」
「そうでしょ。でも、生命保険に関する本も売ってるし、今はインターネットの比較サイトなんてのもある。それなのに、何故キミは自分で調べようとしないでオレに聞くの?」
「だって、本もたくさん買ったけど、どれもちゃんと書いていない本ばかりですし・・・それに、私だっていつも教官に聞くばかりじゃ申し訳ないから、インターネットの比較サイトも何度も見に行ったんですよ。でも、あれを見ると、余計に頭が混乱して来ちゃって。」
「そう、その通り。いいかい、キミははっきり言って、今では生命保険のことについてかなりの知識を持っている。オレの同級生の大手生保の本社教育担当をやっているヤツよりも正しい知識を持っているよ。その点は自信を持ってかまわない。でも、そんなキミでさえ、本は役に立たない、インターネットの比較サイトは余計に混乱を招くばかりなんだろ。オレも全く同じ。インターネットで調べると、オレでさえ頭が混乱して来ちゃうんだよ」
(続く)
生命保険の正しい見直し方 書籍プレゼント!
質問・感想をお待ちしてます