私が保険の素人だった頃の、生保セールスの友人との会話の続きです。
「違うよ! アンタ、素人だからそんなこと言うんだよ」
「そりゃ私は素人だよ。でもお客さんでしょ? お金払うのは私。なのに、私が全部でいくら払うことになるのかって聞いちゃいけないの?」
「・・・」
「買い物するのに値段聞くのが素人なわけ?」
「・・・」
「大体、あなたは売ってる方だけど、計算の仕方もわからないって言うし、聞いたって、ちゃんと答えてないじゃない。今までは生命保険のことなんて、全然わかろうともしなかったけど、たまたま専門家の話を聞けて、ものすごく分かりやすいと思った。あなたとは友達だから保険にも入ったけど、あなたとはいくら話をしても、全然保険の事なんかわからないよ。私、折角イイ話を聞いたから、あなたに教えてあげようと思ったのに・・・なんで、そういう風に、業界に染まったようなおかしな態度でしか話してくれないの!・・・お金を払うお客が、値段聞いておかしい? 買い物するときに値段確かめるでしょ? もし、お店が、値段は教えません、そんなことを聞くのは素人だからだ、なんて言ったら、あなた、どう思う? そんなの普通じゃないでしょ?そんなお店で売っている商品なんて買わないでしょ?そんなお店、二度と行かないでしょ?そう思わない?」
「・・・思うよ・・・あんたの言ってることは正しいよ」
「じゃあ、なんで私に、素人だからなんて言い方するの。そんな言い方しないで。真面目な話、私のことを“素人だ”って言うのは、業界のことを知らないっていう意味だよね」
「・・・うん、そうだよね。言われてみれば」
「それなら私だって、他のお客さんだって、素人なのは当然だよ。そういう人に業界の常識みたいなものを押し付けたって、それは納得できないよ。それが当然だと思っている方がおかしいと思わない?」
さて、ここまでの私と友人との会話を聞いて、皆さんはどう思いましたか?
私の質問に対して“あなたは素人だからそんなことを言うんだ”と言った友人との会話を突き詰めて行くと、友人は“保険の知識があるから自分はプロで、あなたは素人”と言ったわけではなかったんですね。“業界内部の慣習を知らないから、あなたは素人”という意識だったんです。これ、とっても問題だと思うんですよ。
私の今までの記事に対して、脅しまがいのメールを送ってきたセールスレディも、教官のサイトを荒らしたセールスレディも、記載されている内容についての具体的な反論は一切して来ませんでした。
結局は「アンタの言ってる事は気に入らない!」と言っているだけ。それを「アンタは素人だから何も知らないんだ」という言い方をするんですね。
つまり、業界外の人間が、自分たちの業界の常識の範囲外の“マトモな事”を言うと、自分たちの商売に支障をきたしてしまうから、自分たちの“常識”の中でのセールスのやり方が否定されてしまう、自分たちが売っている商品が否定されてしまう、その危機感から、ただただ何とか私や教官の言ってい事を否定しようと、ヒステリックに攻撃をしてくるばかりなんです。
教官のサイトの“荒らし”の人だって、あの短気な教官が、驚くほど根気強く対応しても、きちんと対応すればするほどヒステリックに「アンタの言ってることはウソだ!」と叫ぶばかり。自分からは、ウソだと断言するだけの情報を提示することは一切ナシに、ひたすら罵詈雑言をまき散らす・・・
まあ、こんな人はごく特殊な存在でしょうけど、今ではよく分るんです。あの時、友人が、“あんたは素人だからそんなことを言うんだよ”と言うに至った経緯が。友人は私に損な保険を売りつけようなんて気はサラサラないし、質問されたらごまかそうとも思っていなかったと思うし、会社に教えられた通りにセールスをして、会社に教えられた範囲内で答えていただけなんです。
問題は、会社が、友人のようなセールスレディに本質的なことを一切教えようとしないから起こるんですよね。教官によれば、もはや保険会社の教育する側の立場の人間ですら、サラリーマンとして染み付いてしまった既成概念から、保険の基本的なことすら教えられないような状況になってしまっているとか。そんな人に教えられた彼女たちに、まともな答えを要求してもムリに決まっていますね。
(続く)
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