前回の教官のブログの一文からの続きです。
多くの人は、
●少しでもお金が戻ってくる=掛け捨てじゃない
●1円もお金が戻ってこない=掛け捨て
と思っているから、勘違いして損をしてしまうんです。
でも、これが認識の齟齬を生むんですね。教官のブログでは、以下のような数値を出して、注意喚起しています。
<A> 全部で100万円払って30万戻ってきた
<B> 全部で50万払ったけど1円も戻ってこない
多くの人はAは「掛け捨てじゃない」と認識していて、Bは明らかな「掛け捨て」です。
もし、「掛け捨ては損」「出来るならば掛け捨てじゃない方がイイ」なんて漠然と思っている人であれば、Aを選んでしまうかもしれません。でも、損得で言えば「掛け捨てじゃない」Aの方がはるかに損なんですよね。
生命保険はあくまで金融商品なんです。
つまり、
●何のために購入するのか。
●そのためにいくら払うのか。
●リターンがいくら見込めるのか。
といった思考過程を経て購入するものなんですよ。ですから、「掛け捨てだから」「掛け捨てじゃないから」なんてレベルの認識で購入してしまえば、損につながる可能性が高くなるのは当然なんですね。最初に言ったように、「掛け捨て」「掛け捨てじゃない」は、あくまで保険設計をした上での「結果」です。
そして、保険設計には、それぞれのご家庭における様々な状況や希望が反映されなければなりません。その結果としての「保険設計」ですから、それが単純に「100%掛け捨て」「100%掛け捨てじゃない」といった状況になることなんて、実際にはほとんどあり得ないんですよ。
正確に言えば「掛け捨て率がどのくらいになるか」といった話であって、その割合が、それぞれのご家庭の状況や希望によって変わるんですね。だから「掛け捨ては損」「掛け捨てで充分」といった「ゼロか100か」「白か黒か」みたいな話って、かなりピントが外れちゃってるとしか言い様がないんです。
ここまで読んでいただければ、「掛け捨ては損」「掛け捨てで充分」なんて認識の仕方が間違いだってこと、おわかりいただけたんじゃないでしょうか?こうした基本を勘違いしてしまうと、生命保険で大損しちゃうことになりやすいんですよ。
でも、基本をきちんと認識できていれば、「こんなにたくさんの新しい特約が付いて、しかも掛け捨てじゃないんですよ」といったセールストークや、「しかも、掛け捨てじゃありません!〇年間無事故なら〇万円が返って来るんです!」みたいなCMの文句
に心を惑わされることもなくなります。
重要なのは、「掛け捨て」か「掛け捨てじゃない」かではなくて、「いつまで、何のために、いくら必要で、そのためにいくら払うのか」という「設計」なのです。その設計の結果として「掛け捨て率」があるのです。
この基本を是非しっかりと認識していただきたいと思います。
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