前回からの続きです。生命保険は金融商品であると正しく認識できていると、このように考えることができます。
2.「貯金と保険は別」なんて言葉が、いかに薄っぺらな言葉かわかる。
こんなことを、さも偉そうに言うファイナンシャルプランナーって、生命保険のことを全然わかっていない人なんでしょうね。
「生命保険は金融商品である」という基本的な認識がないからこそ出てくる言葉ですから。
保障が目的であろうが、貯蓄が目的であろうが、金融商品であるからには、「投資に対するリターン」は必ず存在するんです。この辺は証券会社勤務時代に勉強させられましたから結構詳しいんですよ。
もし、ある生命保険商品が、他の金融商品よりも有利なリターンが望めるのであれば、それを貯蓄目的で買うことには何の問題もありません。ただそれだけのこと。こんな当たり前のこともわからないで、「生命保険は掛け捨て云々」なんて本を出す人がいるんだと思うと、ホント、頭に来ます。
で、教官はもう1歩、突っ込んだ話をしています。
「貯蓄用に生命保険商品を買っても、生命保険なんだから、そこには必ず死亡保険金が発生する。ということは、その保障額分を、掛け捨て保険で準備している保障額から減らすことが出来る。当然、掛け捨て保険の保険料は下がる。その分を考慮すると、リターン率はさらに上昇する」
生命保険をちゃんと理解し、なおかつ真面目に考えている人のレベルは、全く違いますよね。
3.安易な加入が出来なくなる。
これは私の経験からです。株式投資って、今ではだいぶ一般的になったとはいえ、誰もがやっているわけではありません。
もちろん、悪いものではありませんが、株式投資をよく知らない人にとっては、安易には手を出しにくいものでしょう。
ところが、こと生命保険になると、「金融なんて、全然ワカンナイ」「金融って苦手」「生命保険、難しくてさっぱりわからない」と口にするような人が、安易に生命保険に加入してしまっている・・・そう考えると、無謀ですよね。
しかも、生命保険は1世帯平均で約2000万円もの支払いになる金融商品なんですから。
こういう無謀なことをすれば、大損しても仕方ないということになります。株式投資でそんな状況に陥った人はたくさんいます。
でも、生命保険でそうした状態になる人の方が、はるかに多いのです。
もはや安易には加入できませんよね。
4.安易な加入が出来なくなる。(前回からの続き)
「お付き合いで」とか「セールスさんがイイ人だから」とか「いつも何かくれるから」とか「しつこくされて仕方なく」なんておかしな買い方もしなくなるでしょうね。「親戚が売ってるから」なんてのも同じです。
他の商品なら、親戚だから社販で割引してくれるとか、便宜をはかってくれるといったことがあるかもしれませんが、金融商品である生命保険では、そんなことあり得ませんから。
私はどうしても「金融商品」って考えると証券会社の業務と比較しちゃいますけど、株だったら上記の様な理由では決して購入しないですもんね。多少だったらお付き合いで口座を作るくらいのことはあるかもしれませんが、生命保険は総額2000万円ですよ!そんな金額を訳も分からず投資しちゃったら、大損するのも当然ですよね。
5.生命保険業界のおかしなところがよくわかる。
もちろんすべての生命保険会社について言ってるわけじゃありませんよ。
でも、「解約したいのにしてくれないんです!」っていう相談、とってもたくさん来るんです。
これ、どう考えてもおかしいですよね。
だって、契約は契約者のものなんですから。それを、「解約したい」って言ってるのになかなかしてくれないなんて、普通に考えたら違法行為ですよ。しかも、金融商品ですからね。例えば、証券会社が、株の売り注文が入ったのに売らなかったら大変なことになりますよ。会社だって、担当者だって。
仕事で必要なお金を銀行に引き出しに行ったのに、それがおろせず、会社が傾いちゃった・・・これだって銀行の責任は大変なものになります。
不動産を買おうとしたら、不動産屋がその物件の値段を言わず、「月々〇万円のローンで大丈夫ですから」としか言わないとしたら・・・そんな会社から買う人いませんよ。
でも、生命保険の世界では、こんな異常事態がまかり通っています。これって、売る側も、「金融商品を販売してる」っていう意識が無いからに違いありませんよね。
毎度毎度のお話ですが、究極は、提案書に値段が書かれていないなんて・・・そんな提案書、どんな商品だってありえませんよ。それで提示された商品を買っちゃう人が後を絶たないのも、生命保険の不思議なところですし、そんなことをして金融庁が許してくれるのも、まさに異次元の世界としか思えません。
こうした異次元の世界にハマって大損してしまう・・・ということにならないためにも、「生命保険は金融商品なんだ」と明確に認識することは、とっても大切なことだと思います。
(続く)
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